Иван Дорн(Ivan Dorn)ーロシアのポップスター
ロシアで活躍するポップスター的なアーティストで凄い人を見つけた。
ウクライナ育ちのアーティスト、 Иван Дорн (Ivan Dorn、イヴァン・ドーン、1988年生)
彼の音楽はハウス、ディスコ、ポップ、ジャズ、ファンク、UKガラージ、ヒップホップ、トライバル、ソウルなど多岐に渡っている。個人的にトレント・レズナーに声が多少似ているところがあり、「ファンキーなNine Inch Nails」のような印象を受けた。
イヴァン・ドーンは6歳のときからピアノを始め、いくつかのコンテストで賞をとるなど、幼少時から既に頭角を表していたようだ。その後も音楽学校でピアノと声楽を学ぶなど精力的に音楽と関わってきたが、大学では映画学科を専攻している。
その後、2006年にジャミロクワイのコンサートで出会った女性アーティストであるアンナ・ドブリドネヴァとPara Normalnyh (Пара Нормальных)というユニットを始める。
同ユニット結成一年リリースした「HappyEnd」は大ヒットとなり、ウクライナだけでなくロシアの音楽チャートでも好成績を残した。
このユニットは当時欧米で流行っていたエモ的なメロディーのアメリカンポップやR&Bと上手く呼応していたのだろう。
3年後、ユニットを解散しソロ活動を始める。
彼は2012年にデビュースタジオアルバム『Co'N'Dorn』(Masterskaya / Timely Tunesから)をリリースし、ロシアとウクライナの両方のシーンに大きな影響を与え、多くの賞を受賞し「新世代のアイドル」として表彰された。しかしその音楽性はアイドル以上のように思われる。 ジャズ・ファンク要素をベースにビートがUKガレージからヒップホップなどを調和させた内容になっている。個人的にはネプチューンズとディスクロージャーの中間のポップスという印象を受けた。
Иван ДорнーСтыцамен(Ivan Dorn - System Man)
二作目の "Randorn"(2014、Masterskaya / Timely Tunes)は前作同様ジャズ・ファンクをベースに、よりハウス、ヒップホップなどのダンスミュージックの側面が先鋭化されている。またニューウェーブ的な展開もあり 、聴いていて非常に面白い。全体的にミニマルで洗練された音作りのアルバムに仕上がっている。
個人的に好きなニューウェーブな曲 Иван Дорн - Мишка виновен(シュールなアニメPV。タイトルは「Bear is guilty」(クマは有罪?)分からん…もしかしてロシアのこと?とか考えすぎか。※イヴァン・ドーンはウクライナ出身でロシアよりウクライナに対して忠誠が強い傾向のアーティストらしい。)
アンダーグラウンドなベースミュージックの雰囲気の曲
Иван Дорн - Невоспитанный(タイトルはrude (失礼)という意味らしい)
三作目のアルバム『OTD』(“open the Dorn”の略、2017年CondornCompanyとMasterskayaからリリース)ははじめて英語で歌われたアルバムでカリフォルニアで制作された。
しかしロシア語圏でも英語圏でも商業的な成功は収められなかったという。
ビートや音作りが多様化しており、トライバルやインダストリアルの要素も垣間見えるような構成になっている。
NiNをファンクにしたような曲 Ivan Dorn - Wasted
トライバル要素のある曲 Ivan Dorn - Afrika
現在は時々英語の曲も作りつつ、ロシア語に回帰している様子である。ロシアの中でもマイノリティのウクライナ人としての自意識も反映されているのかもしれない。
去年リリースされていたシングルが、アシッドベースを大胆に取り入れつつエスニック感あるドープなラップ曲でとても良かったので是非聞いてほしい。
Иван Дорн - Чики
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