The Gift(2000)-Sam Raimi (My feedback)

Amazonでサム・ライミ監督の『ザ・ギフト』を観た。主演がケイト・ブランシェットとキアヌ・リーブスという豪華キャストで今更という感じだが、個人的にメチャクチャ面白かった。イントロがタルコフキーを思わせるようなアブストラクトで幽玄な自然描写で良かった。事件の真相を主人公がカードリーディングと現場でのエンパス体験により徐々に浮かび上がらせていく物語。神経症的なキャラたちが“占い師”(今でいうスピリチュアルヒーラーというか)の客として訪れるのが興味深かくリアルで怖かった。そして、プライベートで会ったパンピーぽいやつが結局ヤバかったというか(いや、やっぱ事故っただけのパンピーかも)主人公がやっていたカードがゼナー・カードというサイキック能力をテストするのに用いられるようなカードらしいが、一体どうリーディングしてるのは分からなかった。

一般的には占い用というよりマジック用みたいな感じだし。サム・ライミ監督が何故ゼナー・カードを占いの道具にしたのか気になるところではある。

個人的にすごくリアルだったのが、スピリチュアルカウンセラー的な主人公と顧客との関わりだった。主人公も夫を前年に亡くしていたり、本人自身の状態がよくないから、その主人公が“ヒーラー”としてカウンセリングを行っても、顧客を癒やすどころか、善意だとしても傷に塩を塗るような展開になって更に破滅へと向かわせてしまう。隠れてる何かを暴く彼女の行動は勇敢で正しく見える、しかしそれと同時にその副反応で何かを酷く歪ませてしまう、そこの描写が非常にリアルだった。いやぁ、他人事とは思えないし、自分が本当にニュートラルで余裕のあるとき以外は不安定な人たちと不用意に関わってはいけないし、蓋も開けてはいけないというか。彼女の場合、精神的にも金銭的にも問題があった。こういうスピ系の人、結構多いと思う。スピ系の界隈でコンプレックス商法を主にしたネットワークビジネスも目立つ。先程この映画について調べていたら、偶然にも大川隆法氏によるサム・ライミの解説本に辿りついて驚いた。これ以上は言わないでおこう。とにかく、何事も類友なんですよね。。。私が「パンピー」だと思う殺人犯だったウェインも、この手の人たち(神経症、不誠実、他罰的な人物たち)と深くコミットしてしまい、パンピーであるが故にその毒性を中和することができずに一番の過ちを犯してしまったように思えた。そして何故か一番スピった情けない男の願望が投影されたエンドになっているのも後味が悪かった。もうこれ以上、ヘラってスピった幻想のなか一般人を犠牲にしないでくれ、という感想。キツかった。でもそれ故にいい映画だった。(小並感)ところで、事件現場でのサイキックなエンパス体験で事件の真相を読み解いていくやり方でぼんやりとトラウマになってるのが、苫米地英人氏がその方法で世田谷一家殺人事件を解説してたのがあったんだけど、なんだったんだろう。。勇気があるときもう一度読みたい。

MAYAXONO'S CLOSET

my favorite things

0コメント

  • 1000 / 1000